2012年2月 京都個展

PARAM

~天涯の郷 化楽の花~

 

 第6回目を数える京都個展。 今までの熱帯植物をメインにした創作から、牡丹を中心に金魚や蝶などの艶やかな世界を木炭で表現しました。

 

 PARAMとは『彼岸』を意味するサンスクリット語ですが、広義には『あちら側』という意味を持ち、私達が住まう世界とは別の場所を指す言葉です。ちなみにPARAMの過去分詞がPARAMITA(パラミータ)、漢字に音訳されて『波羅蜜多(はらみた)』となり、どこかで聞いた憶えのある人も多いのではないでしょうか。

 仏教の世界では、彼岸に至る(悟りの境地に達する)ためには煩悩を断たねばなりません。人を苦しめるのは煩悩です。しかし、本当に煩悩は無い方がよいものなのでしょうか。

 煩悩に塗れ、悦楽に溺れたり苦しみに苛まれたりする人間の姿こそ、そこに意味があるのではないでしょうか。 私がよくモティーフにする蓮、東洋の世界では宗教を問わず蓮は聖なるものとされます。その、泥から芽吹きやがて咲き誇る様が、尊い教えに例えられるからです。

 しかしその尊い蓮でさえ、泥がなければ芽吹くことさえ出来ません。『泥の中からでも見事な花を咲かす』のでは決してありません、『泥があればこそ、見事な花を咲かす』のです。人にも煩悩があればこそ、それを越えたところにある何かに気付くことが出来るのではないでしょうか。

 そして私が絵を描く意味も、そこにあるのではと思えてなりません・・・

会場風景

作品抜粋