2013年2月 京都個展

私の中の智と野生

 

 7回目を迎えた京都個展。今回はメイン作品を含む数点の作品に、金錠・銀錠を使用しました。日本画で使用されるこれらの画材は、『色』と言うよりもむしろ、『光』を演出する効果が高い画材です。作品に施した金錠が、わずかな光の加減や見る角度で千変万化することで、マットで落ち着いたモノトーンの部分にまで、視覚的影響を及ぼすことが解った、自身の表現方法にとって大変意味のある展覧会となりました。

 

 私たち人間は、時には智的なコト・モノ・ヒトに憧れ、またある時は野性味あふれるコト・モノ・ヒトに魅了されます。反して、過剰な智識を畏怖して敬遠したり、極度な野生性に危険を感じて身震いしたりもします。
 また『智』と『野生』は、一方の中に他方が内在するという特性も持ち合わせており、時と場合によってプラスとマイナスの側面を互いが交互に示しつつ、結局は両方が我々の心を掴んで離さない、そんなエレメントなのだと思います。

 例えるならば、『智』とは先人達の叡智を結集し淘汰され洗練された尊い教え、『野生』とは未だ血の供儀を必須とする土俗的宗教と言えるでしょうか。

 

 今回のDMは、金色に光る葡萄の木の前にたたずむ豹の絵です。豹に溢れる野性性と、その目に静かに宿る智。その背後の葡萄に流れる慈悲の本質を感じて頂けると幸いです。

作品抜粋

上段 【雨水の瑞香】   【月光の届かぬ夜 ~晦~】   【月光の届かぬ夜 ~朔~】
下段 【護法の眼差し 】   【東雲の未蓮華 】   【望月の仏桑華 】

 

上段 【甘美な果汁】     【吉祥手 憤怒】     【天竺牡丹】
二段 【仏陀の微笑】     【吉祥手 半眼】    【七夕百合】
三段 【神への供物】     【羅什のsynapse】    【極楽鳥花】
四段 【微薫の魔法】     【吠陀のdouble helics】    【大紅団扇】
 
上段 【La draperie blanche】   【La draperie noire】   【砂浴】
下段 【蟠桃果】   【西王母】   【声明響く 波斯の葡萄樹】